さちかぜ荘 前篇


【危険】 ★★     ⇒危険
【規模】 ★★★    ⇒巨大
【交通】 ★★★    ⇒不便
【遺留】 ★★★    ⇒数多
【総評】 ★★★★   ⇒良好
 ●危険度は低め、但し今後も浮浪者の住み着く可能性あり、近隣民家の目が多々気になる
 ●大きな見どころは無いが、宿泊施設ならではの遺留品が面白い


Introduction

 皐月、新緑の爽やかな空が広渡る某日。
場所は西伊豆、温泉と金山で有名なこの街。
そこに、駿河湾を一望する高台に佇むこの物件。
昭和の時代は、観光客で賑わっていたことだろう。
今となっては、その様相は全く変わってしまったが。
往時の隆盛を、肌で感じることは、もう永遠に無い。
これは、そんな廃墟探訪の物語。





<<登場人物紹介>>

隊長……年齢不詳、住所不定、職業不明、好きな観光地は牛臥山、性別は♂

ひなた……13歳の中学1年生、好きな観光地は東尋坊、性別は♀







 ようやく着きましたね、隊長。 ここまで長かったです……


 辺り一帯、木々に覆われ、蔦に蔓延られ……廃墟感満載ですね


 それにしても、ここを探すのに何時間かかりましたか? 隊長…


 まあ、無事着いたことだし…いいとしますかねー


 階段がありますね……この階段を登る瞬間って、何かドキドキしますよね


 素晴らしいまでの蔦ですねぇ……まさに芸術的です


 ここは一階ですね。 窓が完全に割られてしまっています…


 外にはこんな蛇口が……多分海水浴から帰って、ここで洗い流したりしたんですね


 んー、ここはどうやら更衣室ですね。 歩いて海へ行ける旅館、だったんでしょうね


 当たり前だけど誰も居ない……って、隊長なに服脱いでるですか!!


 一気にパンツまで脱ぐからまた見えちゃいましたよ……もう…。 はい、ここはトイレです。


 サンダルが散乱してますね。 サンダルが散乱……だからもう散々……ゴメンなさい……。 


 隊長! 生い茂る蔦の裏側に何かの巣がありますよ! 私たちの愛の巣とかは言わせねぇよ!!


 ここはボイラー室ですね。 嘗て温泉が出ていたんでしょうね……人工の。


 それじゃあ内部探索しましょう。 1階はこんな感じです…ここは客室ですね。


 ちゃんと非常口は確認しておかないとですね。 こっちですね、了解です


 うわぁ……真っ暗で怖いです……隊長、フラッシュ焚きましょう…


 フラッシュを焚けば明るさも十分ですね。 これなら安心です


 隊長! 誰かこっち見てますよ!! ……って、え? びん○ょうタン??


 この真っ暗な階段登っていくの嫌です…怖いです……隊長先行って下さい…


 隊長のお陰で無事二階へ到着…何か二階は明るいですね


 ではまず201号室からご案内〜


 あー、内部は思ったよりも綺麗ですね。 片付いてますね


 狩野永徳作の竹林屏風図ですよ……。 突っ込みが欲しかったです…


 電話機があります。 今保留中になってるようです。 通話料いくらになってるんでしょうね


 壁掛けのミラーです。 朝焼けの光の中には何も影が立ってませんね…


 天井の照明器具は綺麗に残されてます。 えっ、私の方が綺麗ですって…? …あんま嬉しくないですよ


 青の絨毯に蔦の緑……これで外が真っ赤な夕焼けだったら最高でしたね


 こういう緑がある廃墟って、一番美しいと思うのは私だけ〜?


 お次は隣の202号室です。 中のつくりは201号室と同じですね。 でも蔦がこっちまで伸びてる…


 あっ、これは館内案内図ですよ。 って隊長、そういう物は持って帰っちゃダメです!


 あ、懐中電灯が落ちてますよ。 え、それで私の心の中を照らすですって? ……はぁ…


 この部屋の景色も素晴らしいですね。 蔦がやっぱり廃墟にはお似合いです


 廊下にこんなものが……。 消火器…………隊長、ボケが思いつかないようですね


 さて、お次は203号室ですね。 遺留品がぽつぽつと残されています


 この椅子に座った人は、当時はどんなことを思ってたんでしょうね…。 …え? ユリゲラーのこと…? ……何で?


 窓に伝う蔦……何だかラピュタの内部にいる気分になりますね


 夜になるとこの二つの椅子に向かい合って誰か座ってそうで怖いですね…


 さて、部屋を出まして非常階段を下りてみましょう……って、これじゃ更に非常事態になりますね


 階段下の物入れです。 隊長、中に閉じ込められてみます?


 ここは給茶スペースですね。 色々散らかってますが、今でも使えそうです


 レトロな給茶ポット発見! 緑のシマシマとセンス悪いペイズリー模様がたまらんばい!


 これまたレトロなゴミ箱です。 ……あれ? 中に何か白い液体の入ったゴム風船のようなのがありますよ? これは何ですか…?


 ホウキもすっかり放棄されていました


 あ、隊長、入室入浴禁止の張り紙が貼ってありますよ


 あ〜、女湯にはkukulさんが入ってるんですね、ではスルーしときましょう


 では、男湯の方を覗いて見ましょう


 温泉の効能はと…。 え? 隊長、生理通に効くんですか? あ、でも私、まだ生理来てな……って、何言わせるですか!! 


 生理痛に効くとか書いてないし……隊長最近あれですか? 盛りがついてるんですか?


 浴槽はこんな感じ……って、隊長、女の子の前で”よくそう”いうこと平気で出来ますね……服を脱ぐとか…


 今のはダジャレじゃないですよ……たまたまです。 え、あ、それ? それはたまたま……。 っ!!


 隊長の誘導尋問は卑怯です。 女の子を辱めて楽しいですか? ……遺留品がいっぱい残ってます…


 隊長、もうそういうのやめて下さい。 趣旨変わって来てますから…。 はい、浴室はこんな感じでした…


 脱衣所の天井が抜けてますね、これは多分人為的な破壊でしょうね……


 すぐ隣の男子トイレです。 え、おしっこ? 隊長、我慢して下さいよ〜


 洗面所ですね。 鏡には何も映ってません。 あれ? 隊長って鏡に映らない人だったんですか?


 湯のみとか散乱してますね。 噂では浮浪者が住んでたとかいなかったとか…


 この奥、207号室がVIPルームです。 その前に205号室へ行ってみましょう


 205号室です。 内装はやっぱり同じですね


 エアコンがしっかり残されています。 随分古い型ですね


 布団もちゃんと残ってます。 二十年も放置されててもまだしっかりしてますね


 あ、料金表がありますよ。 ビジターには厳しいようです、はい。 ちなみにこれは別の旅館のものでした


 この旅館のパンフレットもありました。 パンフも作るあたり、ちゃんとした旅館だったんでしょうね


 名物、舟盛!! 美味しそうですね。 でもマーカーで消されてる所が気になる… 


 金庫利用時の心得がありますよ。 でも部屋に金庫なんて無かったですよね?


 あ、ここは猫の通り道ですね、分かります


 こっちは206号室です。 うはぁ……障子が完全に破られています


 天井の照明器具も無残に破壊されてます……一体どこのD○Nでしょうね、こういうことするの


 何かこの部屋だけ電話機の形が違ってます。 ってか、これどうやってダイヤルするんですか? 


 レトロなデザインの椅子ですね。 隊長、座ってみて下さい、隊長似合いそうですよ


 浴衣の帯なんかも残されています。 それは”ゆかった”なんて言わせねぇよ!


 布団が押入れに……って、だからどうして押し倒そうとするんですか!!




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